Across Mt.Kilimanjaro ~おやじ達の冒険~ 大成功編!!

キリマンジャロ越えに成功!

2011年8月30日午前7時15分、弊社パイロット藤田昌彦と、アメリカナショナルチャンピオンの経験を持つベテランパイロット、スティーブ・ジョーンズ氏を乗せた熱気球がキリマンジャロ最高峰のKIBOを前代未聞の近距離で越える事に成功しました。

 

 

プロジェクト概要

参加国:9カ国 スペイン・日本・アメリカ・イギリス・ドイツ・スイス・ベルギー・オーストリア・ブラジル。

選ばれた参加パイロット達は7機の気球に分乗しキリマンジャロ越えに挑戦。複数機でのキリマンジャロ越えは史上初のプロジェクト。

 

搭乗機:Ultramagic T-150 4245m3 高さ25m 直径21m  スペイン製 EC-IMJ

 

パイロット:藤田昌彦・スティーブ ジョーンズ(アメリカ)

 

燃料:ブタンガス210kg搭載 酸素ボンベ2本(1本乗員用、1本バーナー用)

離陸日時:2011年8月30日  6:02  離陸地:ウセリ タンザニア 学校広場

着陸日時:2011年8月30日 10:02  着陸地:ロンドロシグラデス 土道

飛行時間:4時間  最高時速:27.5km 飛行距離:64km  最高高度:7582m 

最高上昇速度:毎秒5,7m 最高降下速度:毎秒10,3m 最低気温:-35度

プロジェクトの詳しい内容につきましては

こちらのページからご確認ください!

 

このページでは現地の写真や動画、レポートをアップしています。

ダイジェストムービー

※ムービー右下のYouTubeボタンを押してYouTubeを開いてからムービーを見ると、より高画質でお楽しみ頂けます。

フォトショット

 

 

パイロット後記

 6時全ての準備が整った。バーナーを炊き続ける。6時2分ロープをリリースし、いよいよ出発だ。3機目の離陸。キリマンジャロの頂上峰KIBOまで27km。暗闇の中、機体は北へと流されていく。一気に6000mまで上がり、北へ振られるのを最小限にする作戦だ。バーナーをガンガン炊く。ブタンガスのため火力が弱い。ほぼ炊きっぱなしの状態だ。ブタンガスと大型気球で210kgのガスを積んでいるためなかなか思うように上がっていかない。

 

 3000m付近で東風が入り始める。南風の層が思ったほど厚くない。先の2機は方向修正のためか一度高度を下げてしまった。我々は躊躇うことなく上昇を続ける。南からの2機も離陸したようだ。遙か遠くにバーナーの光が見える。結局我々が先頭を切ることになった。

 

 5000mを越えた時点でバーナーに酸素注入、これをやらないと種火は消えてしまう。同時に我々も酸素マスクを装着する。酸素ボンベ5リットルを2人で分ける。まともに使うと一人1時間2リットル。2人で使用して1時間ちょっとしか持たない。バルブをしぼり、節約しながらの使用となる。

 

 最初の峰MAWENZI(5120m)にたどり着くまでになんとか6000mまで上昇できた。6時30分、朝日が差してきた。なんと雲一つない完全なピーカン。地上からも、はっきりとキリマンジャロが見えるめったにない恵まれた日となった。MAWANZIの先にキリマンジャロの最高峰KIBO(5895m)が白い氷河を朝日に光らせて見えてきた。美しい、滅多に顔を見せない恥ずかしがり屋の頂上が、この日は我々を歓迎するかのように鮮やかにくっきりとその姿を現した。朝日はその頂を射抜き、後方にピラミッド形の影を走らせた。

 

 更に上昇、高度7500m、KIBOまで15km、最高速度27,5km。マイナス35度、温度差は50度以上、防寒対策と直射日光のため寒さはさほど感じなかったが、息苦しい。酸素は地上の半分以下、40%しかない。酸素マスクをしていても少し動くだけで息苦しい。マスクを外して5秒もすると、はあはあ息が上がる状態になる。結局7000m前後を2時間半、酸素吸入は3時間に及んだ。その間、めまい、頭のくらくら、ジェットコースターで下がって上がるときに感じるGのような、頭を押さえつけられる感覚、それらが頻繁に襲いかかってきた。喉が異常に渇く。水を飲んでも飲んでも収まらない。体はかなりしんどい。ヨーロッパアルプスを7000mで超えた時、こんな感覚は感じなかった。若くはないおやじの体は高度順応が遅いのだろうか。

 

 7000m前後の微妙な風を掴みKIBOを目指す。そして離陸後一時間半、7時30分、KIBO上空を通過した。KIBOの全景がはっきり見える。氷河の断層がくっきりと浮かび上がる、まるで氷河の断層を登っているかのようだ。神秘的な神々の住まいを上から望み見ている。中央のカルデラは微笑んだ顔の鼻のようだ。神々が微笑んでくれている。一瞬息苦しさが消えた、マスクを外し微笑み返し。あまりにも雄大にして神秘な光景に2人のパイロットは言葉を失った。

 

 通過後しばらく高度を保ち、着陸目標値を目指す。8時降下開始、6000mで西へ。5000m、4000mと高度を落とすと風は弱まり、方向も定まらない。4000mを過ぎ、酸素マスクを外す。普通に息を吸えることがこれほど嬉しいとは驚きだ。もう再上昇して酸素吸入はしたくない、風は緩いが3000m以下で着陸目標を目指すことにした。

 

 9時を過ぎて、眼下に雲が発生してきた。サーマルの発生が抑えられる。ラッキーだ。弱い風に翻弄されながらも土の小道に着陸できた。10時着陸、4時間のフライト。

 

 

 7機中、5機はキリマンジャロ超えに成功。1機は超えられず安全な地に着陸。1機は残念なことに超えられず山に不時着した。幸いにも生命に支障はなく、一晩そこで過ごし、翌日乗員3人はヘリで救助された。 

 

 我々が一番KIBOに接近しいいコースで超えることが出来た。

 

 後日、ポーターを雇い、ボンベ、送風機を担ぎ上げ、不時着した岩だらけの場所から、不時着機は再び離陸し、無事平地で回収をした。

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    宮田浩樹 (火曜日, 04 10月 2011 18:47)

    キリマンジャロのKIBO越え大大大成功!おめでとうございます。
    キリマン越え成功!の一報は、沈んだニュースの多い中、まさに希望の光が差すような嬉しいニュースでした。
    今後ますますのご活躍を期待しています。

  • #2

    中村和也 (火曜日, 04 10月 2011 21:50)

    ものすごく格好いいです。しびれました。みんなに勇気を与える快挙です。
    素敵な冒険をありがとうございます!!