熱気球の移動は風まかせなので、決められた場所に正確に飛んでいくというのが難しい乗り物です。競技会では主にその技術の精度を競います。
目的地にはターゲットと呼ばれる×印が作られ、パイロットたちはそこに向かって飛んでいきマーカーと呼ばれる帯付きの砂袋を落としていきます。ターゲットからマーカーの距離が近ければ近いほど高得点を獲得し、その合計獲得点数の一番高かった者がその競技会のチャンピオンとなります。
熱気球は高さによって様々な方向に吹く風をうまく捕らえながら、自分の行きたい方向に進んでいきます。
左図では、地上付近では右に進む風があり、500mでは前方へ、1000mでは左へ進む風が吹いています。
パイロットは上下動をしながらターゲットに向かって飛行していきます。
上昇したい時はバーナーを焚いて気球の中にある空気を暖め、下降したい時は空気が自然に冷えるか、熱気を抜く操作をします。
熱気球の競技はタスクと呼ばれ、競技大会では、風の状況に応じて様々なタスクが行われます。1回のフライトで1~5つのタスクが組まれていきます。下記では、そのタスクの中でも代表的なものをいくつかご紹介したいと思います。
1つのターゲットが設定され、各チームは定められた範囲内(例:2km以上10km以下)で、どこからでも離陸することができます。ターゲットはメイン会場に設定されることが多く、様々な方向から飛んでくる熱気球が、会場にアプローチしてくる様子は大変見ごたえがあります。
熱気球が離陸をする前にパイロット各人が自分の
ターゲットを設定します。離陸地とターゲットの
距離にも範囲が指定されます(例:1km以上5km以下)
パイロットの風を観る能力が試されるタスクです。
必ず他のタスクと複合して設定され、パイロットが上空で次のターゲットを宣言します。宣言はマーカーに記入され、宣言するターゲットはそのマーカーから定められた距離以上(1km~5km)離れていなくてはいけません。
熱気球は風任せにしか進めないため、PDGやFONのように、パイロット自身がターゲットを設定し競技が行われます。自分でゴールを決めるなんて簡単な様に思われますが、時間と共に変化していく風を見ながらゴールを決めるという事は、実はとても大変なことなのです。
ロンチサイト(熱気球が一斉に飛び立つ場所)から飛び立ったパイロット達は飛び立った位置を目指して飛行します。